ブラックホールとは一体なんなんだ…?!〜不思議な特徴や誕生の仕組みについてわかりやすく解説してみた〜
皆さんこんにちは!
KOTOです!
ところで「ブラックホール」って聞いたことはありますか? なんでも吸い込む黒い穴…? アニメやSF映画とかではおなじみな表現ですね。
でも…
ブラックホールって本当にあるの?
なんでも吸い込むってどういう意味?
ブラックホールってそもそも何?
などとと疑問に思う方も多いと思います。
この記事では「ブラックホール」について、ゼロからわかりやすく説明していきます!
ブラックホールって何?
まず、ブラックホールは実在します。
SF小説作家の妄想の存在ではありません。
本当に宇宙空間に浮かんでいるのです。
ブラックホール、直訳すると「黒い穴」ですが…。
これはもしかしたら多くの方が誤解しているかもしれませんが、本当は「穴」ではありません。
「大きな星の成れの果て」
これがブラックホールの正体です。(厳密にはいくつか種類があるうちの一つ)
なので「穴」というより、球の方がイメージは近いかもしれません。
ブラックホールの特徴
ブラックホールの最も特徴的な性質は、なんと言っても…
「なんでも吸い込む」
という点です。
もし私たちがブラックホールの近くに行こうものなら、生きて帰れることはありません。
周りの星すらも飲み込んでしまいます。
…どうして、ブラックホールは何でも吸い込んでしまうのでしょう。
それは…
「極端に重力が強いから」
です。
正確に言うと、実はブラックホールはモノを吸い込んでいるというより、重力によってあらゆるモノを引っ張り込んでいるのです。
どうして重力が強い?
なぜ重力が強いかというと、ブラックホールはものすごく密度が高いからなのです。
ニュートンが発見した万有引力という法則があります。これは、あらゆる全ての物質はお互いに引き合う性質があるということです。
そしてこの性質は、その物質の密度が高ければ高いほど強くなります。
“密度が高い”とはつまり、モノがギュウギュウに詰まっているということです。
同じサイズのものでも、物によって重さが違いますね。
同じ段ボールの中に発泡スチロールだけが入っているものと、本がギュウギュウに入っているものを比べたら、本が入っている方が重いですよね。
これが密度が高いという事です。
でも実際は、そんなレベルではありません。もっともっとギュウギュウです。
イメージしてみましょう。
ある箱に、ありとあらゆるものを詰めてみます。
ただし質量はそのままに、サイズはいくらでもギュウギュウに縮めることが出来ることにします。
まずは目の前の机と椅子を箱に詰めてみましょう。
結構ズッシリきましたねぇ。
まだまだです。
家の冷蔵庫やタンス、洗濯機、テレビも入れましょう。
いや、まだまだです。
家ごと全部その箱に入れましょう。
その箱、だいぶ重くなってきました…?
まだまだです。
隣の家も、その隣の家もぜーんぶ入れましょう。いや、街ごとぜーんぶ入れちゃいましょう。
その箱、相当重くなってきましたね…。でも、まだまだです。
今度は日本ごと、いや…地球ごと詰めちゃいましょう…!!
さてその箱、エグい程ギュウギュウになりましたね…!!!
さて、ブラックホールの密度は…それよりももっともっと高いのです…!!
密度がエグい、つまり重力が半端じゃなく強いのです…!!
ブラックホールの近くに行こうものなら、二度と帰ってくることはできません…。
ブラックホールは何色?
ブラックホールは、どんな色をしているのでしょう。
名前から、当然何か真っ黒いものを想像するのではないでしょうか。
しかしブラックホールは、そんな常識的な物体では無いのです。
何とブラックホールは、見えないのです。
普通、何かモノを見るという行為は、光を見ているのです。
そのモノ自体が発している光、もしくはその物体に当たって反射した光が私たちの目に入ることで見えているのです。
しかしブラックホールは、重力が強すぎて周りの空間をねじ曲げてしまいます。
光すらも、ブラックホールから出ることは出来ません。
その結果、光が我々の目に届くことがなく、見ることができないのです。
しかしそんな見えないブラックホールを、科学者はどのように観測しているのでしょう。
周りの星がブラックホールに吸い込まれる時にできる降着円盤というものを観測することで、間接的にブラックホールを見ているのです。
ものすごい勢いで物体を取り込むと、摩擦で高温に熱されて電磁波を放出します。これを観測することで、ブラックホールの存在を間接的に確認できるのです。
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2019/04/10追記
(Credit: EHT Collaboration)
世界6カ国の共同チームが、ブラックホールの撮影に成功しました。
ブラックホールの表面のプラズマガスから発せられた電波が、画像では輪っかの形に光って見えています。
真ん中の暗い部分は、まさに強い重力場の影響で、光ごと空間が吸い込まれ、脱出できずにいるのです。
世紀の大発見に、画面越しに立ち会えました。
感無量です。
この時代に生まれて、本当に良かったです…。笑
追記ここまで
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ブラックホールはどうやってできる?
不思議な天体「ブラックホール」。
ここまでその不思議な性質について紹介してきましたが、これは一体どのように生まれるのでしょうか。
はじめの方で「ブラックホールとは大きな星の成れの果てだ」と言いましたが、具体的にブラックホールになれるような星は、太陽の約10倍程度の質量は必要です。
太陽の10倍も重い星なら、そのぶん重力も強いです。
万有引力の法則で、引っ張る力がものすごい強いのです。
それだけ引っ張る力が強いのに、それでも星が潰れて崩れてしまわないのは、毎日絶えず爆発を繰り返しているからなのです。
輝いている星は普段「核融合反応」という、原子力爆弾の「核分裂反応」よりも強力な爆発が起こっています。
つまり内側に向かうものすごい重力の力と、外側に向かう核融合の強烈な爆発の力がちょうど釣り合うことで形が保たれているのです。
しかし、その星が一生を終えると外側に向かう力がなくなってしまいます。
つまり、強大な重力によって強烈に収縮していきます。
ズズズ…
ズズズ…
そして…その際中心部に…
ついに…!
ついにブラックホールができるのです!
(ちなみにこのときに起こる強烈な衝撃波は、超新星爆発というものすごく巨大な爆発を起こします…!)
おわりに
今回は、不思議な天体「ブラックホール」について紹介しました!
2017年のノーベル物理学賞は、重力波の発見についてでしたね。
2つのブラックホールが合体するときに「時空を揺らす」重力波を観測したという発見から受賞したものでした。
もし興味があれば、重力波について詳しく書いたこちらの記事をご覧ください!
それだけ天文学で注目されているブラックホール。
「画面の前のあなた」の好奇心を少しでも刺激できたとしたら、本当に嬉しく思います。
もし良ければ、他の記事も読んでみて下さいね…!
それではまた!