KOTOの理科的つぶやき

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ざっくりポケモン対戦史

対象 非ガチ勢 ポケモンやったことがある人

みんなナマステ。 カレーをスパイスから作れる元理科の先生のKOTOです。

謎のスーパースパルタプログラミングスクール42Tokyoのアドベントカレンダーなる企画です。 42tokyo Advent Calendar 2020 - Adventar

この記事は、同期の戦友ムーさんからバトンをもらっています。 ムーさんはアカデミックな内容だったので、今回もかなり学術的な価値の高い記事となっています。ご容赦ください。


今日はポケモン対戦の歴史の授業です。

初代が発売された1996年から始まり、今現在の最新作は2019年発売のシリーズ8作目「ポケットモンスター ソード&シールド」。

発売から24年間のポケモン対戦の歴史を、それぞれの世代ごとに分けて、ざっくりと解説していきます。

あ、あと何となく著作権的にあれかな〜とか思ったりするので、ポケモンの画像は全ていらすとやで代用します。脳内補完しましょう。


第1世代 赤緑

みなさんご存知初代ポケモン。

実はこの世代は色々とカオスな環境でした。

一部の技が今とは仕様が異なり、壊れ技がいくつもありました。 まあ初代なので仕方ないです。物事は段々と時間をかけて改良されるものです。

例えば「ふぶき」という技、現在の仕様はこんな感じです。

威力:110 命中:70% 相手をこおり状態にする確率:10%

ですが、当時はこんな感じでした。

威力:120 命中:90% 相手をこおり状態にする確率:30%

そして当時の「こおり」状態の仕様が壊れでした。

こおっている状態では何も行動できないことは今と同じです。 現在は、毎ターン2割の確率で復活します。

しかし当時は、ほのお技を受けないと永遠に解けないとのこと。 つまり、こちらが間違えてほのお技を選択しない限り、そのポケモンは瀕死も同然。

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ふぶきを打てば、ほぼ3割の確率で相手を瀕死にできるということです。

また、はかいこうせんという技は当時から威力が150と高く、使用後は1ターン行動不能は変わりません。

ただ、なぜかこの技で相手を倒した時は、次のターンも行動可能という仕様でした。

つまり、はかいこうせんをタイプ一致補正(×1.5倍の威力)で打ててかつ、ふぶきも打てるポケモン、「ケンタロス」が初代最強のポケモンでした。

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ちなみに伝説のポケモンも使用できる環境なら、ステータスの暴力で、ミュウツーが最強でした。

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当時の仕様的に、エスパータイプは弱点となるタイプがいませんでした。 ちなみにもちろん彼、ふぶきもはかいこうせんも使えます。


第2世代 金銀

この頃の環境は、ひたすら守りを固める戦法が流行りました。 お互いにガチガチに守りを固めるので、お互いに倒されないが倒せない状況が続きます。 ヘルメットをひたすらデコピンしあうような耐久戦ですね。

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カビゴン、ツボツボ、ハピナス、エアームドといった耐久ポケモンがたくさんいました。 今でこそ高威力の技がたくさんありますが、当時は少なく、これも耐久合戦の拍車をかけました。

のろい(ゴーストタイプ以外)などの技で耐久をあげつつ居座るポケモンが増えたことで、強制的に交代させる「ふきとばし」や「ほえる」を持つポケモンが増えました。

相手が交代した時にダメージを与える「まきびし」という技と、強制交換の上記の技を組み合わせる、通称「昆布」戦法が流行りました。(ちなみに昆布の由来は、コンボのタイポだそうな)

主にパルシェンがまきびしを撒き、ライコウが吠える組み合わせが多かったようです。

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第3世代 ルビー&サファイア

この世代から、特性というシステムが導入されました。 場に出た瞬間に相手の攻撃力を下げる「いかく」や、場の天候を雨状態にする「あめふらし」など、いずれも個性豊かなものです。

600族と呼ばれる、高スペックなポケモンが多く登場した。 ボーマンダ、メタグロス、ラティオス、ラティアスなどがそう。

ちなみにこの世代の情報、、そんなになかったのであんまりよくわからんです。 どんどんいこ!次!!


第4世代 ダイヤモンド&パール

この世代から、技ごとに物理攻撃と特殊攻撃の分類がされるようになりました。 そもそも物理攻撃っていうのは、「たいあたり」みたいに直接ぶん殴るような技で、特殊攻撃は「みずでっぽう」みたいにちょっと遠くからダメージを与えるようなイメージの技です。

で、その物理特殊ってのはこれまではタイプごとに分かれていました。 ノーマルタイプは物理、炎タイプは特殊、みたいな感じでした。

これによって、ブースターのようにせっかく攻撃力のステータスは高いのに自身のタイプが炎だからそれを活かせない…的なポケモン達が喜びました。 ま、ブースターは弱いんだけど。

この世代で登場したガブリアスというポケモンが、しばらくポケモンというゲームの主人公となります。 ガブットモンスターの始まりです。

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このポケモン、アホみたいに強いんです。 ガブリアスも600族と呼ばれる、ステータスが高いポケモンです。

しかも、それぞれのパラメータが芸術的な配分をされています。

ざっくり言うと、殴って強い、耐久もそこそこ、素早さもいい感じに早いって感じです。 タイプも地面・ドラゴンで、攻撃するのに優れたタイプ構成です。

ちなみにこの世代の最後の頃には、この構成にしておけばだいたい勝てる的なパーティー、通称「結論パ」というものができました。

ガブリアス、スイクン、メタグロス、サンダー、バンギラス、ゲンガーです。


第5世代 ブラック&ホワイト

この世代、強力な積み技が追加されました。 積み技というのは、能力ランクを上下させる技です。

たとえば既存の技で「なきごえ」というものがありますが、相手の攻撃力を1段階下げる技です。

ポケモンのステータスにはHP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさの6つあります。

HP以外は能力ランクと言われるものがあり、デフォはそれぞれ2/2倍(1倍)です。 もし1段階下げられたら、ステータスが2/3倍、 もしもう1段階さげられたら、ステータスが2/4倍といったように、下降方向には分母が1ずつ増えていきます。

逆に自身のステータスを上げる技は、デフォの状態から1段階上がると3/2倍、もう1段階で4/2倍といったようにステータスが変わります。

ちなみに上下それぞれ6段階のステータス変化が上限です。(8/2倍〜2/8倍の13段階)

回避率のステータスもあるんだけど、ちょっと省きます。 (ま、大体似たような考え方です。)

つまり、効果的に自身のステータスを上げる積み技を使うことで、有利に対戦を進めることができます。 で、この世代、そんな積み技の中でもものすごい強力なものがたくさん出てきました。

たとえば「ちょうのまい」。 自身のとくこう、とくぼう、すばやさをそれぞれ1段階上昇させる技です。ぶっ壊れ。

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他にも、「コットンガード」。 自身の防御を3段階上昇させます。1回使ったら防御が2.5倍。 ぶっ壊れ。

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極め付けは、「からをやぶる」。 自身のぼうぎょ・とくぼうを1段階下げるかわりに、こうげき・とくこう・すばやさをそれぞれ2段階上昇させます。

そんなぶっ壊れ技を習得したパルシェンは、重火力高速アタッカーとしてトップメタ入りを果たしました。

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あともう一つ、この世代のもう一つの特徴は、ドラゴン大暴れ時代ということです。

ドラゴン技が攻撃面で優秀なのは、半減されるタイプがはがねタイプのみで、ほとんどのポケモンに等倍以上で攻撃できる点です。

ガブリアスはステータスの暴力かつ、読まれにくい多彩な戦術で、暴れ続けます。

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ラティオスはその高い素早さから、こだわりメガネという火力アップアイテムを使った高火力な技を上から押しつけて、暴れます。

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これまで日の目を浴びることがなかった、初代600族のカイリューは、新たに追加された「マルチスケイル」という特性で、ほぼ確実に1撃相手の攻撃技を耐えてから、反撃して暴れます。

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ドラゴンを倒すには、はがねタイプのポケモンを出せばいいじゃないかと思うかもしれませんが、大抵はがねタイプの弱点である地面技や炎技を搭載していることが多いです。諦めましょう。


第6世代 X&Y

第5世代で暴れすぎたドラゴンの怒りを鎮めるために、新たなタイプが追加されました。 フェアリータイプです。

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フェアリータイプはなんと、ドラゴンタイプの技を無効化します。 これでドラゴンの時代は終わった…わけではありませんでした。

フェアリータイプは、それまで不遇なタイプだった毒タイプの技が弱点です。 この救済措置によって強化されたのが、主人公ガブリアスです。 ガブリアス先輩、平気な顔して毒タイプの攻撃技「どくづき」を覚えます。 ドラゴンの怒りを鎮めるべく降臨したフェアリーは、ことごとく毒殺されていきました。

そしてこの世代からの最も特徴的なシステムは、メガシンカです。対戦中に一匹だけ、一部のポケモンのステータスや特性を大幅強化するものです。

中でも特に強かったのが、初代からいるポケモン、ガルーラです。その圧倒的な性能ゆえ、この世代から主人公が変わりました。 ガルットモンスターの始まりです。

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このメガガルーラの性能、一言でいうと毎ターン2回攻撃してくるんです。(2回目の攻撃の威力は元の50%。それでもバカ強い) 毎ターンお互いに1回ずつ殴り合うこのポケモンのゲームにおいて、一人だけ別ルールで遊んでます。

グロウパンチという技があり、攻撃しながら1段階攻撃を上げるものです。

ガルーラが撃つと、2回攻撃するため攻撃が2段階上がります。ただでさえ強いステータスが、1回撃つと2倍になるわけです。

ガルーラを使わない奴は舐めプとまで言われる次第でした。


第7世代 サン&ムーン

前世代の最強ポケモン、メガガルーラはさすがにやりすぎたということで少し加工修正されました。

2回目の攻撃技の威力は元の25%になりました。 まあ、それでも十分強いんですけどね。

ところでこの世代、新たな主人公が現れました。 ゴースト・フェアリータイプのポケモン、ミミッキュです。

ミミッキュ唯一の特性「ばけのかわ」は、1回だけ相手の攻撃技を無効化します。

かつ覚える技が多彩で色々な型があり、相手に読まれにくい点が非常に強いポケモンです。

1回の無効化を盾に、「つるぎのまい」という攻撃の能力を2段階上げる積み技を使ったり、後続のポケモンが暴れられるように場を整えたりと、必ず何かしらの仕事をするのがエラいです。

ミミットモンスターの始まりです。

ちなみにミミッキュの見た目は、ピカチュウに似ています。

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ピカチュウの自作着ぐるみ?をかぶっていて、本体の姿は誰にもわかりません。

この設定がまたかわいくて、これまた魅力的なわけです。

ミミッキュのタイプはゴーストタイプを含むということで、自身の正体を見たものは呪ってしまうそうです。

しかし本人としては人気者になりたいらしく、どうやらピカチュウが人気らしいとの情報を得たミミッキュは、自分でピカチュウの様な見た目の被り物を作り、それを着て生活しているらしいです。

キュートすぎる。

ちなみに最近のポケモンの人気度ランキングで、3位にランクインしていたりと、ちゃんと実績も残しています。おめでとう。


第8世代 ソード&シールド

シリーズ最新作です。 この世代でメガシンカが廃止され、ガルーラは完全に環境からいなくなりました。

メガシンカが廃止された代わりに、今回導入されたシステムはダイマックスです。

限られたポケモンしか強化できなかったメガシンカに対し、このダイマックスはどのポケモンでも対戦中に1回だけ強化させることができます。

3ターンのみ、HPが2倍になり、技の威力が上がり、追加効果が非常に優秀なものに変わります。

エースバーンというポケモンの「リベロ」という特性が、このダイマックスの仕様ととっても相性が良いことから、この世代はエースバーンットモンスターになりました。

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「リベロ」は自身のタイプが、選択した技のタイプになる効果があります。

もともとエースバーンは炎タイプなので、地面タイプが弱点です。 相手が地面タイプの攻撃技「じしん」を選択したとします。

エースバーンはダイマックスをしながら、強化された飛行技「ダイジェット」を選択したとします。

すると、エースバーンは炎タイプから飛行タイプに変化し、タイプ一致の高威力な飛行技で相手を攻撃しながら、ダイジェットの効果ですばやさが1段階上昇します。

そして相手の「じしん」は、こちらが飛行タイプに変化しているため無効化されます。

こんな芸当ができるポケモンは、そういるものではありません。 そしてエースバーンの強みは、覚える技が非常に豊富な点です。 100人プレイヤーがいたら100通りのエースバーンがいると思っていいと思います。

あとなんだか最近、初代の準伝説ポケモンのサンダーが流行ってます。

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すばやさを上げつつぶん殴る、飛行技のダイジェットをタイプ一致の高火力でうつことができ、かつ相手のダイジェットを電気タイプで半減で受けられることが強いみたいです。


おわりに

他にも色々書きたいことは山のようにあるんですけど、おそらく軽く一冊の書籍ぐらいの文量にはなると思います。

今回はざっくり対戦史ということで、これくらいにしておきます。

書いてて思うのは、ここまで読んでくれている人は、果たしてどれくらいいるんだろうということ。

ポケモンやったことない人は、多分何言ってるかわからんですよね… そりゃそうだ。

多分ポケモンやってても、対戦やったことない人もちょっと厳しそうだなとも思ったり。

ま、いっか!

以上、42tokyoアドベントカレンダー企画、KOTOのターンでした!

次はゆーぽんさんの記事です! お楽しみに!