KOTOの理科的つぶやき

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科学者の考える、今の「宇宙観」って…?

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はじめに

最近やっと夏も終わって涼しくなってきましたね。そんな涼しい夜は外に出て星を眺めてみましょう。趣があっていいですね。
夜空を見てみると、ゆーっくりと星空が回っているのがわかります。人類は長い間、地球の周りを星空が回っていると信じてきました。

でも、それは昔の宇宙観です。

昔では確かにそれが常識とされていた時もありましたが、少なくとも今そんなことを言う科学者はいません。人類にとっての宇宙観は、ここ100年で大きく変わってきました。そして、最新の「宇宙観」はどんなものなのでしょうか。

いまからその100年間に何があったのか、解説していきます。

そもそも地球ってどんなところにあるの?

地球は、いくつもの惑星などと一緒に太陽の周りをぐるぐる回っています。つまり地球は太陽系の一部なのです。

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この図は太陽系の円盤を斜め上から見たものです。木星の後ろにも土星・天王星・海王星と続くので、いかに太陽系が大きいかがわかります。

でもその太陽系、これも銀河系という大きな星の集団の一部なのです。

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この渦巻き全体が銀河系です。太陽系は矢印の先のところ辺りにあります。
ただ太陽系はこの大きさで見えているわけではなくて、わざとわかりやすく大きくしているだけです。実際には点にも見えないくらい小さいです。というより、それだけ銀河系が巨大だということですね。(宇宙デカすぎだろな話は、また他の記事で詳しく書きます)

とにかく地球は、この銀河系の中にいるということがわかりましたね。
そしてここまでのことは、100年前位までの研究でおおよそわかっていたことなのです。

100年前、人々の宇宙観を変えた事件とは…

さて人類の宇宙観がガラッと変わった100年前、いったい何が起こったのでしょうか。
それはハッブルという研究者が、銀河系の外にも同じような銀河があることを発見したのです。この発見は人類の「宇宙観」が大きく変わった事件でもあります。銀河系の渦巻きこそが宇宙の大きさと考えられていたのに、さらに外にもあるなんて…当時の感覚としては相当の衝撃だったと思います。

ハッブルは引き続き入念に銀河の研究を行っていると、さらに大きなあることを発見してしまいました。それは…

「なぜか遠くにある銀河ほど、我々から速く遠ざかっている」

ということです。
これはどういうことかというと、こういうことです。

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なんでこんなことが起こるのでしょうか…。
遠くにある銀河ほど大きなジェットエンジンを積んでいて、我々から早く遠ざかっていくのでしょうか。これを上手く説明するには、こう理解するしかありませんでした…。

「宇宙はひろがっている」のだと

上の図が、伸び縮みする一枚のゴムシートだったとします。これを四隅で引っ張ると当然ゴムシートは伸び、それに伴って銀河たちも移動します。

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すると、遠い銀河ほど早く遠ざかっていくことがわかります(よね?)。

とにかくこのことは当時としては本当に大事件でした。あの偉大な科学者アインシュタインを含めた当時の人々は、宇宙は静かに一定であると信じていました。この発見は天文学においていかに革命的であったかわかります。

さらに驚くべき事件が…

そして人々は、宇宙の膨張するスピードに関心を持ち始めました。
ある研究者たちは、超新星と呼ばれる星の燃えカスのような天体を観測することで宇宙の広がり方を調べていきました。
すると彼らはまたしても人々の「宇宙観」を変える、驚くべき大発見をしてしまいました。

なんと、超新星のスピードが次第に速くなっていたのです。
つまり…

「宇宙が加速膨張している」

ということを発見してしまったのです。
科学者たちを含め人々は宇宙が広がるスピードは変わらないか、次第に遅くなるだろうと思っていたため、これはとても衝撃的な発見でした。図で表すとこういうことです。

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このときの研究者たちの衝撃は、よくこのように例えられます。
「真上に投げたボールはそのうち当然落ちてくるだろうと思っていたら、次第に加速して宇宙の果てまで飛んで行っちゃった!」みたいな感じです。

宇宙は今も加速しながら膨張を続けている…。
そんなこと言われて、あなたはすぐに信じられますか?
それでもこの「宇宙観」こそが最新の研究が導いた姿なのです。

じゃあ将来宇宙はどうなっちゃうの…?

ひたすら膨らみ続けているこの宇宙。遠い将来どうなってしまうのでしょうか?
その答えは「正直なんとも言えない」というのが今の科学の答えです。
このまま膨張を続けてしまう「ビッグリップ」説や、いずれ膨張をやめて収縮してしまう「ビッグクランチ」説など色々な議論はされているのですが、はっきりとわかるまでにはまだまだ時間がかかるようです。

おわりに

現在の宇宙観について、なんとなーく伝わったのではないかと思います。
しかし今の科学技術ではまだまだ未知なことは山のようにあります。なんだかワクワクしますね。

そしてこのブログは今後もこんな感じで書いていきます。ここまで読んでいただき、ありがとうございました…!!