KOTOの理科的つぶやき

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セントラルドグマとは一体なんなんだ?(前編) 〜高校生や大学生向けに、転写や翻訳についてわかりやすく解説してみたよ〜

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はじめに

この記事は、タンパク質摂って健康がどうの…とか、ダイエットがどうの…などといったそんな甘いやつでは断じてない!
これは、生命の神秘、生き物スゴいよ!ヤバいよ!天才だよ!!!っていう記事なのだ!(語彙力

そもそもタンパク質って何?食べれんの?(※食べれる)、セントラルドグマって何?どっかの闇の組織?って人向けに、どこよりも簡単にわかりやすく、でっきるだけ用語を省いてめちゃ簡単に説明するぞ!

高校生物でもかなり難しい単元、セントラルドグマやらタンパク質合成やら。
KOTOは高校では生物を選択してなかったので、大学の生物の授業で初めて出会った。
恥ずかしい話、テストはその場しのぎの感じでなんとか乗り切ったものの…そんときは全っっっっっっっっく理解していなかった。
ネットで調べても難しい用語だらけでよくわかんないし、内容もつまらなそうだし、授業を聞いてても眠くなるだけだし…

でもたまたま、コレを勉強し直す機会があって、この話って実はめちゃめちゃ面白かったのか?!ってことに気づけたんだ!
だから俺は、当時の俺(みたいに困っている人)に向けて説明記事を書いてやろうって決心したわけだ!
もしこれを読んでる君が、当時の俺みたいにパニックになってる高校生や大学生だったら安心してくれ!きっと読み終わったら少なくとも今よりは理解しているはずだ!!
もし君が学生じゃなかったとしても、安心してくれ!この世界の見え方が変わるくらいの衝撃は与えられると思う!(?)

さて、この話は連続記事になっている。同じ話だけど難易度別に分けているぞ!
後編では、軽く用語を増やして、ちょっと詳しく説明していくぞ!

「前編(イマココ)→後編

この記事はとにかく易しいバージョンだから、とりあえず流れだけでもバーッとわかってくれたらいいかなって感じだぞ!



タンパク質ってそもそも何?

まず、人間の体の6割は水だっていう話は聞いたことがあるかな?
初めて聞いたときは、結構ショックだったのを覚えているよ…
「え、多ッ!?」ってね…

でもそれ以外の残された4割ってなんだろう…?
そう。このうちの半分ぐらいのものこそが、今回のテーマ「タンパク質」なのだ!
とはいっても「タンパク質」ってたまに聞くけど、実際あんまりよく知らなくないかな?

そんな君でもこれを読めば、タンパク質ってどんなものなのか、どうやってできるのか…
なんとなーくわかるぐらいにはなると思うぞ!頑張ってついてきてくれ!

とりあえず、タンパク質は体のどこになっているのか、色々挙げてみるぞ。
皮フや髪の毛、全身の筋肉、色んな内臓や酵素だってそう、血液の中にもあるぞ!

上の例を見て気づいたかもしれないが、言ってみれば体のほとんどがタンパク質だ!つまり君の正体は、ほぼタンパク質だって言ってもいいだろう!
まあ確かに体の水以外のほとんどがタンパク質なんだから、当たり前っちゃ当たり前なんだけどね。

でも皮膚とか筋肉とか髪の毛やらなにやら、全部同じタンパク質って言う割には、色も形も役割も全然違うじゃねえかって思ったんじゃないかな。

そしたら一体それぞれのタンパク質の何がどう違うのか。
その違いはシンプルに言うと「形が違う」ということ。これに尽きる。

この形になったら、皮膚になります〜
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この形になったら、筋肉になります〜
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という感じだ。

タンパク質は、ビーズ細工とよく似ている。
ビーズ細工は、ビーズがいっぱい繋がって集まってできるものだ。タンパク質も同じで、ビーズ細工の完成品がタンパク質だとしたら、1個1個のビーズに当たるのがアミノ酸っていうモノなんだ。

アミノ酸はどっから来るかというと、お肉とか魚とか豆とか…そういうのを食べてお腹の中で分解して出来るんだ。詳しくはこの記事も参考に↓
日本人の9割が「栄養」の意味を間違えているのではなかろうか…? - KOTOの理科的つぶやき

ビーズ細工なんて作り方によっちゃミッキーにもなるしピカチュウにもなるし、形の種類がいくつあるかなんて数え切れないほどある…
けどこれってよく見てみると、どんなに複雑な形をしていてもビーズが順番に繋がってくっついてるだけなんだ。
タンパク質も同じで、アミノ酸の繋がり方によって形が決まる。髪の毛になる形、皮膚になる形、筋肉になる形になったら、それはもう勝手にそれぞれになってくんだ!


タンパク質を作るには…?

君の体はほぼタンパク質でできている。
ということは君がタンパク質の作り方を知らなかったら、君の生命活動が終了してしまう…!!

もし体の作り方、つまり体の各パーツのタンパク質の作り方が、ビーズ細工の作り方みたいな設計書、手順書の要領で書いてあるやつがあったらいいよね。
こんな、全身分のタンパク質の設計書が実際あったらスゴいよね。

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…コレ、実は本当にあるんだ。なんと君の体の中に!
もっと正確に言おう!
君はおよそ37兆個の細胞でできているんだけど、その細胞一つ一つに、つまり37兆個の設計書が君の体の中に入ってるんだ!!!!
でも確かに設計書ってのはたとえであって、本当に紙の形をしているわけではない。
実際その設計書は、ある「モノ」として君の体の至るところに入っている。
その、ある「モノ」とは…



「DNA」のことなのだ…!

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きっとどっかで、名前くらいは聞いたことがあると思う「DNA」。
でも何のためにあるのか、普段どんな仕事をしているのか、あんまり知らないんじゃないかな。
もしかしたら「DNAは、体の設計図だ」って言われたりするのを聞いたことがあるかも知れない。でも俺から言わせたら設計図ってよりは設計書とか説明書みたいに言った方がいいと思うけどね!だからさっきみたいな説明になるんだけどね!

しかもさっきの画像みたいに改行されてなくて、1行でいるんだ。
言ってみればこんな感じだ↓

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もしくはこんな感じ

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本当に君の作り方(正確には君の体のタンパク質の作り方)が、DNAという形で体のスミズミに書かれているんだ…!本当に!!!ヤバくねえ…?!?!


DNA(設計書)の通りにタンパク質(ビーズ細工)を作ってみよう!

まずは超絶ざっくり、タンパク質ができるまでの流れを説明するぞ!
手順は2つ!

① 設計書(DNA)から「型版」を作ります
② その「型版」にアミノ酸を繋げまくります
これで完成!

教科書とか他のサイトとかを見てると、色々専門用語やらで難しい説明をしてくれるけど(disっている訳ではないぞ!)、噛み砕きまくって言うとこんな感じなんだな!
これだとさすがにざっくりすぎるから、イラストを使いながらちょっと詳しく説明してくぞ!


DNAの形とイメージ!

DNAの形って、マカロニみたいな感じの見た目をしているよね。

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正確にはこのつくり、2重らせん構造って言って、はしごをグニュってひねりまくったような形をしている。

このDNAこそが、さっきの1行で書かかれたバージョンの設計書そのものなんだ!

DNAの形を身近なもので例えるなら、ファスナーをねじった感じのデザインをしているんだな!ファスナーって1本じゃなくて、2本セットで出来てるしね!


工程① 設計書(DNA)から「型版」を作る!

ここから、タンパク質を作る2つの手順のうちの1つ目、「① 設計書(DNA)から「型版」を作ります」を解説していくぞ!

タンパク質は、設計書からいきなり作られる訳ではないんだ!
例えば髪の毛のタンパク質を作ろうと思ったら、まずはそのための型番を上の設計書の「髪の毛の作り方」の部分から作るんだ!

型版って何かっていうと、若干違うけど、たい焼きの型とかクッキーの型とかをイメージするといいぞ!

型版さえ作ってしまえば、何個も簡単にタンパク質を作れるから便利だな !

まずこの設計書をコピーするには、一回このはしごをほどく必要がある。
そう、まさしくファスナーみたいな作りをしている。
実際本当に「ファスナーのアレ」的な役割をするやつがいるんだ。

f:id:kotosanagi:20170116102050j:plain:w100←ファスナーのアレってこれのことね。

しかもハイテクなことに、ファスナーをほどきながら設計書を読み取って「型版」を作っていくんだ!

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しかもこのファスナーのアレ的なやつ、超便利なことに、DNAをほどいてコピーを作りつつ終わった所は元どおりに戻す機能があるんだ!(画像みてみ?!)
ほんと至れりつくせり、便利な世の中だな!


工程② 「型版」のところにアミノ酸を繋げまくります

そしたら、タンパク質を作る2つ目の手順、
「「型版」のところにアミノ酸を繋げまくります」
の解説をしていくぞ!!

たい焼きの型があるだけじゃたい焼きは出来ないし、クッキーの型があるだけじゃクッキーは出来ないね?
材料をその型にハメることで、その料理は完成する!

ビーズ細工で例えるなら、ビーズ。そう、つまりアミノ酸だ!
アミノ酸を①で作った「型版」にはめていくぞ!

設計書通りに最初は赤いビーズ、次に黄色いビーズって感じでアミノ酸を繋げていきたいんだけど…
どうやってつなげよう…なんて心配はいらないぞ!

やっぱり都合よく、アミノ酸を型に届ける「運び屋」的なやつがいるんだ!!
そいつらに任せて運んでもらおう!!

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ちなみに「運び屋」はアミノ酸を届け終わったらどっかにいくぞ!

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こうしてどんどんアミノ酸は繋がっていって…

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そして…最後のビーズがくっつく…!!

…おめでとう!!!!

これで…
ついに「髪の毛のタンパク質」の完成だ…!!!!!

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タンパク質は、ビーズの繋がる色の組み合わせで勝手に形が決まるんだ!!
出来上がったタンパク質はその形、つまりその役割によって、それぞれの担当の仕事をしていく。

日本一(多分)適当な説明だけど、これで一連の流れは終わりだ!
なんとなーく理解できたかな??

おわりに

もしかしてここまでのコト、なんだか遠ーい国の、なんだかわけのわからない物体の話をしてると思ったかな?

コレ、まさしく君自身の話なんだ!
君の体の中で、今もちょうど起こっている事なんだ…!
君の体ってことはつまり、君そのもの!君が今こうして画面を見て、読んで、考えていられるのも、全てはこれが体の中で起こってるおかげなんだ…!

ヤバいことに、地球上にいる全ての生き物(動物、植物、菌までも!)はぜーんぶこの仕組みで生きている。(※厳密には例外もあるけど)

”DNAに書いてある内容が、型版にコピーされて、その型版をもとにタンパク質が作られていく”

こんなように、DNAの情報が順番に伝わっていく仕組み、これを難しい言葉でセントラルドグマって言うんだ!
セントラルは「中心」とか「重要な」、ドグマは宗教とかの「教え」とか「教義」。

中心教義…。
そう、これはつまりこの世に生きる全ての生き物にとっての”真理”みたいなもんなんだ。

ヒトも、犬も、鳥も、魚も、虫も、木も、菌も、ありとあらゆる生き物が周りにはいる。
こいつらみーんな同じ仕組み、「セントラルドグマ」に従ってこうやって今もタンパク質を作っているんだ。

同じ仕組みってことはつまり…
こいつら全員、地球上の生き物は全て、もともとはむかーしむかしは同じ先祖だったんだ。
人類皆兄弟とかいう言葉はあるけど、俺から言わせれば「生物皆兄弟」って感じだな!!!

…どうだろう、この生命の神秘。
ちょっとは感じてくれたかな…?

とりあえず、こんなもんで「前編」の話は終わりだ!
後編まで読んだら、もっともっと生命の神秘を感じずにはいられなくなってくるぞ!
俺は特に信じている宗教とかはないんだけど、もはや神いてもおかしくないレベルだと思ってくる…!
準備はいいか…?!

さあ次は後半戦!後編も読んでみよう!!

koto-science.hatenablog.com